_ 「閾値」の読みの選択肢が……。まあ、「しきいち」という読みが慣用として広く使われてるのはもちろん承知してるけどさ、正しい読みはどれ?と問うようなクイズをやるなら「いきち」にしておかなきゃいかんのでは。「閾」の訓は「しきい」じゃなくて「しきみ」なんだし。逆に「しきいち」の書き方を問われたのであれば、わしゃ迷わず「敷居値」と書くからね。
_ それとも、問題文を見ると電子デバイス関連のようなんだけど、こっち方面では「しきいち」というのが正しい学術用語として定義されてたりするんだろうか。分野によって用語が違うというのは、まあたまにあることだけど、これもそうなのかなー。わしゃ学生のころは知覚心理学をやってたけど、少なくともこっちでは「いきち」以外は聞いたことがない。聴覚系のいろんな弁別閾を測定する実験をやりまくってたわしとしては、「弁別閾」は「べんべついき」であって「べんべつしきい」なんかじゃない。あの当時から「しきいち」という読みをしてる人がいるのも知ってたけど、どちらかというと慣用というより誤用という認識だった。
_ んで、さらに、「閾」が常用漢字だか当用漢字だかになかったため(?)に「域値」という字で代用する一派もそれほど多くはないながらも存在していて、さらにさらに閾値の読みで問題になるなら英語で threshold と書いときゃいいじゃーんと思えば、正しく「すれっしょるど」ではなく「すれっしゅほーるど」と誤読したのも広く定着していて(外来語に正しい読みもなにもあったもんじゃないが)、この言葉に関する表記/読みはもうとんでもないことになってる。
_ まとめ。閾値 いきち しきいち 敷居値 域値 threshold スレッショルド スレッシュホールド: ぜんぶ同じ。