どさにっき AI 〜2018年4月中旬〜

by やまや
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2018年4月13日(金)

著作権侵害サイトブロッキング

_ ブロッキングやるんだってさ。ひでーな。これまで「要請」と言われてたのが「自主的対応」でやってくれ、ってことに一歩退いた表現にはなったけどさ、実態は大してかわらん。

_ 立法は後でやるから、それまでは臨時的に緊急避難扱いで、といってるけどぜんぜん臨時じゃないんだよね。一時的な措置とはいえ、緊急避難の基準をこれまでよりずっとユルいものに下げてしまったという事実はずっと残るんだよ。海賊版を緊急避難でブロックするのが一時的なものでしかないとしても、今後別のコンテンツブロック(たぶん次は違法薬物あたり)をやりたいという声が上がったときに、著作権はあんなもんで緊急避難にできたんだからこっちもそんなもんでいいだろう、となっちゃう。立法までなんかじゃない、その後にまでずっと過恨を残す決定だよ。

_ 政府が示し合わせてるので、実際にブロックしても総務省は指導しないし警察も動かないけど、だからといって ISP にリスクがないわけじゃない。ブロックされたユーザが ISP を直接訴えることができて、そうなったら裁判所は政府の意向なんかおかまいなしに違法判断を下す可能性が高い。でも ISP の自主的対応でやったことなんで政府が責任を取るわけじゃないしコンテンツ業界が通秘侵害の被害者への賠償を肩代わりしてくれるわけでもない。一方的にリスクだけ押しつけられてメリットがまったくないブロッキングをやる ISP ってほんとにあるんですかね。もしあったら、そのユーザにはぜひ訴訟を起こしていただきたい。

_ ブロッキングやればいいじゃねーか、という意見もときおり目にするんだけど、でもこれはこれで貴重な声だと思う。これまでの日本では通信の秘密なんてあって当たり前で空気みたいなもんだから、ふだんは重要性なんか気にしないんだよね。空気だから、通秘を深く考えない発言もぽんぽん出てくるわけで、そういうふうに思える環境をこれまで作ってこれたことはそれなりに成功だったんじゃないかなー。そして、だからこそ、空気が薄くなって息苦しくならないように、ここは食い止めなきゃいけなかったんだよ。


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やまや