_ というのがここ毎年ずっと続いていたけど、Amazon(J) がサービスを始めてやっとほんとに元年になったのかな。
_ まあ、今のところ興味はないけど。
_ 電子書籍をありがたがってる人は多いようだけど、ふつーの本は紙の方がずっと読みやすいと思うんだよね。充電しなくても読めるし、文庫本ならズボンの尻ポケットに入れて持ち出せるし、なにより将来サービス形態やら文書フォーマットやらが変わって読み直すことができなくなる心配をしなくていい。電子化されてうれしいことといったら場所を取らないということぐらいか。
_ もちろん、紙より電子版のほうがありがたいものもあって、その筆頭が最初のページから順番に読んでいく類のものではない辞書みたいなもの。やっぱり検索に強いのは紙の本にはない利点。でも、電子辞書というのは一般の電子書籍とは別のアプリケーションという分類になっちゃってる感が強い。
_ そういうのを除けば、絶版とか版元品切れとかのリアル本屋では入手困難な本を読むための手段となることを期待したいんだけど、うーん。まったくないわけでもなさそうだけど、電子本屋の検索は使いづらすぎて見つからない(こういうのはキーワード検索ではなく、各社が出してる文庫総目録みたいなリストを目 grep するのがいちばん早い)。そういう意味では本屋で買えないマンガばっかり集めてるJコミはエラいんだけど、こういうのは商業出版社が自ら率先してやるべきことだろう。あと、自分はあまり興味はないけど、自費出版本、同人誌なんかのあまり部数が見込めないような本も、印刷、輸送、在庫その他のコストを考えると電子版オンリーで出版する方が適してるんじゃないかとは思う。
_ 要するに、ロングテール(そういえば最近あまり聞かなくなった言葉だな)の尻尾の先っぽの方を充実してくれということ。もし万が一海外に住むようになって、ベストセラーでさえ紙の本を入手するのがめんどうになるようなことがあればそのときは重宝するかもしれないけど、少なくとも現時点の電子書店にはまったく用はない。話題作ありますというのは潰れそうな田舎の駅前書店ですら当たり前にやってることであって、何のアピールにもならない。さらにその先にあるものを見せてくれないと、積極的に電子本を買う意義を見出せない。
_ もしふつーにリアル本屋で買えるような本でもあえて電子版を選ぶとすれば、紙の本じゃできっこないことが実現できるようになったときかな。辞書の検索性の高さはもちろんだし、作者により何度か手直しされた本のリビジョン違いを読み比べたりできる、なんてのも実現するとおもしろそうだ。そういうのがないかぎり、(少なくともわしの中では)紙の本の優位は揺るがない。